やさしい手のひら・中編【完結】
かなりの人で食券を買うだけでも行列だった

「これ食べる時間あるの?」

「今日は初めての登校だから混んでるのかもね」

そんなことを話していたら順番が来て、食券を買い、カウンターでカレーライスを受け取り、窓際の席に座った

「いただきます」

やっと食事になり、私と優香は他愛のない話をしていた

♪♪♪~

私のポケットで携帯が震えていた

すぐにポケットに手を入れ、携帯を取り出し画面を見てみた

「あ…ちょっと電話してくるね」

健太からの電話だった。私はすぐに立ち上がり小走りで静かな所へ移動した

「もしもし」

「亜美?」

声を聞いただけで、ドキドキしてしまう

「うん」

「今日、何時に終わる?」

「今日は、3時かな?」

「迎えに行くから」

「仕事は?」

「今日はもう終わったから」

私は短大の場所を教えた

「じゃ、3時に入り口でな」

「待って。誰かに見られたらヤバイんじゃないの?」

「大丈夫だから。じゃあ後でな」

大丈夫と言って電話を切られてしまった。普通じゃない、芸能人の健太と会って大丈夫なのかと不安になってしまった
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