やさしい手のひら・中編【完結】
「亜美!」

玄関から走って由里は私に駆け寄る

そしてソッと抱き締め

「辛かったね」

そう言ってくれた

その言葉を聞いて私はまた涙を流した

弱い時の優しい言葉は気持ちを揺らす

「何も知らなくてごめんね」

ううん、と首を振った

「ずっと一人で悩んでたんだね」

「ウワーン」

糸が切れたかのように私は声を出して泣いた

健太の冷たさが私にどれだれ衝撃を与えたか思い知らされる

思い出したくない健太の目

私を邪魔者のように扱っていた

「来る時、祐介に聞いたんだ・・・」

私は顔を上げ、由里の顔を見た

「何も知らないって・・・健太くんもいつもと変わらないって・・・」

私は健太にとってもう関係ないの?

必要じゃないの?

私のこと思ってくれないの?

私はこんなに健太が大事なのに・・・

こんなに大好きなのに・・・

どうすることもできない気持ちを涙で流した

そして泣き疲れた私は、由里に持たれ掛ったまま、3日間寝不足だった体を眠らせたんだ


< 357 / 388 >

この作品をシェア

pagetop