With a smile
今日は建都さんの電話取れなかったな、5時を過ぎ、適度な疲労感を感じながら会社を出た。

外には仕事帰りのOLさんや、忙しそうに携帯で話すサラリーマンが行きかっている。

その上で真っ赤な太陽が最後の力を振り絞るように強く輝き、空一面を赤く染めていた。

夕日の中に建都さんの笑顔が浮かぶ。

せっかく同じ会社でフロアも同じなのに、2ヶ月も見ていない、一度もだ。

ヤバイ、もう会えないような気がしてきた。

フゥ、ため息をついて夕日から目を落とすと、目の前に建都さんの顔があった。

一瞬、夕日の中に私が思い描いた建都さんと混同して、それが現実なのか分からなかった。

「お疲れ、帰り?」

本物だ。

「はいっ。お疲れ様です」

「何か今ぼーっとしてなかった?」

クスクスっと笑った。

「あ、いえ、夕日がきれいだなと思って・・・」

あなたの事を考えてました、とは言えない。

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