ユールクラップの愛
クリスマスまで6日
お姉ちゃんの買い物が終わり、私も何着か服を買い終えた後、雑誌の撮影があるとか何とかで撮影所に向かった。
―――なぜか、私も一緒に。
「行きたくないんだけど、私」
「いいじゃん!サラが春陽に会いたがってんの」
「サラ…えっ、天海【あまみ】サラ?!」
「そうよ!」
天海 サラと言えば、今人気沸騰中のモデル。
ドラマに舞台と、女優業にも力を注ぐ、今注目されている人だ。
お姉ちゃんとは同期らしく、仲がいいんだとか。
ちなみに我が姉はモデルだ。
これでも、人気ファッション誌・『Raspberry【ラズベリー】』の読者モデルから人気が出て専属モデルとなった実力者だ。
そんな言葉に釣られ、中川 朝陽【なかがわ あさひ】様と書いてある楽屋に私も連れられてきた。
「…結局私、また雑用させられるのね」
「まあいいじゃない。暇でしょう?」
「…そうだね」
まあ若干納得しがたいが、お姉ちゃんの雑用ももう慣れたもの。
財布とスマホを取って、『じゃあ、コンビニに行ってくるから』と部屋を出た。
お姉ちゃんの好きなアロエヨーグルト、そしてタピオカミルクティを買いに、近くのコンビニに行く。
これもまたいつものお決まりのパターンだ。