Murder a sponsor.
 まさか……。理由はどうあれ、2人は手放した包丁を再び手にするため、引き出しを開けたんじゃないだろうか。そして、その結果――。

 2人が開けた引き出しに近付き、中を恐る恐る覗き込む。そこには、見たことのない装置らしき機械があった。

 ――包丁が対象者に向かって飛んでくるように造られた、そんな、機械。


「これは……」


 2人は、これによって死んだ……?この機械が発動して、包丁が身体目掛けて飛んできて、それで刺さって、死んだ……?


「真人くん、どうし……」


 引き出しを覗き込んだまま動けないでいる俺に近寄ってきた舞さんは、同じように動かなくなった。

 俺の仮定が真実だと言わんばかりに、その機械はそこにある。

 もしかしたら、俺達が開けた引き出しにも同じような機械が設置されていたかもしれない。もしかしたら、死んだのは美智子さんたちじゃなくて、俺達だったのかもしれない……。

 そう考えると、何も言葉が出なかった。


「2人が死んだのはこれで間違いないわね。それなら、この引き出しに触らなければ問題ないわ」


 平常心を保ったらしい舞さんが、そう言う。


「そう、だな」


 それは、確かにそうなんだけど。
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