Colors of Heart ~7色のハート~
部屋着に着替え、リビングに戻ってきた大輔はお!と声を上げた。
食卓に麻のランチョンマットを敷き、真ん中に爽やかな香りがする牡丹色のバラ。
大輔を席にエスコートすると、ワイングラスにボルドーワインを注ぐ。
「ワインまで買ったの?本格的だな」
珍しいものを見るように興味深々で大輔はグラスを覗いた。
「肉料理には赤ワインでしょ?」
最近、ホームベーカリーに嵌っているという義男がお土産に持って来てくれた手作りパンと、サラダ、コーンスープ(これは市販品に生クリームを加えただけ)を出し、最後に義男特製のシャリアピンソースで仕上げたお肉の登場だ。
添えはローズマリーをまぶしたマッシュポテト。
「おぉ、フルコースだ」
大輔が嬉しそうに声を弾ませる。
さぁ食べようと席に着くと、私のグラスにワインを注いでくれた。
「乾杯」
チンとグラスを合わせて、ワインを一口。
早速、肉に取り掛かる大輔の様子を伺う。
「ん、んまい。焼き方も丁度いい」
やった!大成功!ありがとう義男。
心の中で感謝する。