片想い協力者は無愛想ヤンキー!?
な、なんで元カノ…?
困惑する私をよそに涼しげな表情で言う七瀬君。
『瑠樹の元カノはー…知っとくべきだと思うな。俺にとっては。』
そして私を見てニコリと笑う。
『さ、入ろっか?』
呆然と立ち尽くす私を引っ張って中に入る。
七瀬君には前にチラッと元カノの話を聞いたけどあれからその話題を聞くことはなかった。
お化け屋敷に入ってからもその事がグルグルと頭の中を巡って脅かしにくるお化けも全然怖くなかった。
…ごめんね、お化けさん。
そして出口。
『あー、怖かった!!』
七瀬君は満面の笑みで言う。
『ずっと笑ってたじゃん…』
『バレた?』
あはは!!と笑う七瀬君。
『美亜里ちゃんは全然怖がってなかったねー!!抱きついてくるかと思って期待してたのに!』
『あはは…』
とりあえず適当に笑っておいた。
反応に困っちゃったからね。
『こんなことになるなら、もっと後で言えばよかったなー…』
『…なにが?』
『元カノの事。美亜里ちゃん、そればっか考えてたから怖くなかったんでしょ??』
…バレてたんだ。
私って顔に出やすいのかな…?
『美亜里ちゃんのお店行こっか。そこで話すよ。』
私がコクリと頷いたのを見て七瀬君は歩き出した。