Taste of Love【完】
「すみません結城さん。あ~あ、こいつずっと結城さんの話ばっかしてて、今回かなり喜んでたから」

そう言いながら「よいしょ」と声をかけて、雅実の肩に手を回し立たせた。

「すみませーん。これで失礼します」と会場に大きな声をかけてふたりは部屋をでていった。

(雅実ちゃんがそこまで心配してくれていたなんて、先輩失格だな。今度ちゃんとお礼しなきゃ)

目の前の枝豆に手を伸ばすと「飲んでいるか」と声をかけれた。

「まっつん!お疲れ~」

気の知れた同期へグラスを持ち上げて乾杯のしぐさをとる。

「お疲れ!まっつん言うな!何回言ったらわかるんだよ」

「ごめん、ごめん、まっつん!」

いつもの会話を一通り繰り返して改めてグラスを交わす。

「ホント今回うまくいってよかったな。お前頑張ってたもんな」

「ありがとう、やっぱ結果出ると嬉しいよ!みんなのおかげだよ~」

「そうだな、一番頑張ってたのはお前だけど、室長もかなり上に頭下げたんだから、お前もちゃんとお礼言っておけよ」

「室長が?」

初めて聞く話に驚く。
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