恋愛心工事中。




「京司おはよー!!
有美も有難う!!」





ついに水泳大会。

隣町の運動施設のプールを使って、毎年行っている。


京司は初出場のためか、いささか緊張しているようだった。


毎年応援に来てくれている有美は、笑顔であたしを見た。




『美羽~!!おはよ!!
ねぇねぇ、黒崎君が帰ってくるのっていつかな!?』


……………?
何でそんなこと?




「いや…知らない」
『ふ~ん♪』



…………。
何か怪しい。
何か隠してる!!




そんな疑念を持って有美を見ていると、背後から肩を叩かれた。


振り向くと、






『おはよう』


爽やかな笑顔の大悟だった。




「…………おはよ」


何だか罪悪感でいっぱい。





壱が帰ってくると分かった途端、もう大悟と向き合わなくていいんだ、という狡い考えが浮かんだ。



大悟は真っ直ぐにあたしを好きと言ってくれたのに……それに心揺れたのに…。


幻滅される。




いや、いっそのこと幻滅された方が良いのかもしれない。


なんて、本当に狡いな、あたし。




自己嫌悪に陥っていると、





『笹崎と石橋!!』
「『げ。』」



鬼顧問に呼ばれ、あたしと京司がハモる。

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