何度でも、伝える愛の言葉。
『灯里ちゃんから本当に何も連絡ねぇの?』
帰り道、樹季が心配そうに聞く。
「あぁ、なーんもない。」
『中学のときに東京に引っ越してきたんだよな?地元どこだっけ?』
「地元は茨城らしい。そっから先の詳しい地名までは知らないけど。住んでた家にももう居なかったし、今は全くだな。」
『そっか…どうしちゃったんだろうな。』
本当に、どうしたのだろう。
あのときの俺は灯里が居なくなったことに戸惑い、探そうとすればする程に実は自分は灯里のことを何も知らなかったのだと打ちのめされ、その繰り返しだった。
『ずっと田舎だったから、親が東京に転勤だって聞いたときは嬉しくて。
友達と離れるのは寂しかったけど、こっちに来れて良かった。』
そう話していた灯里の姿が浮かぶ。
東京に来れたことを喜んでいたのにまた離れてしまったのは、俺のせいなのだろうか。
出会ってすぐに告白したのは俺の方で、バンドの練習ばっかで全然デートにも連れてってやれなかったのに、灯里はいつも楽しそうに俺の傍に居てくれた。