白い羽根とシャッター音





彼が私のことを知りたいと思ってくれた…?


どうしよう、嬉しい。
けど、本当のことを話したら彼はどう思う?


人間は、死神という存在に対して、決していいイメージは持っていないはず。

それに、どうして死神が自分の元にいるのだろうか、と不思議に思うはずだ。

きっと、『死』というものを連想してしまうはずだ。





彼の命は明日の朝まで。

私は、今度こそは仕事をこなさなければいけない。…ネロとの約束だ。

今、彼に私の正体を明かしたら何か不備が生じてしまうかもしれない。


でも、どうしよう…。

彼に本当のことを話してしまいたい。


私は死神で、寿命間近のあなたの元に来た。
あなたは、明日命を落とす。
あなたの魂を私は回収する。




私は彼の最期を見届ける役目を担っている。



………彼の最期?


やだ!やだ!やだ!

私…、私は、













『彼を助けたい』と思っている。













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