時の彼方に君がいた
しばらくのあいだ、沈黙が続いた。
水野と僕は、タイヤの上で
ぼんやりと子どもたちをながめた。
僕にも、いや、『僕等』にも
あんな時間(じき)があっただろうか。
綺麗に整備された四角い花壇の中で
何というのかわからない花たちが揺れている。
品種改良され、もはや人の手なしでは生きてゆくことすらままならない、か弱い花々。
「水野、いつか刺されるよ」
「うん、ちょっと怖かったりする」
「ま、わたしには関係ないけど」
「ひで……つかもう『僕』っていわないの?」
「……それはもう忘れて」
「えーやだー」
水野は僕の顔を覗きこみ
にっと笑った。
「なぁなぁ、俺たちってさ、友達だよな」
僕はどぎまぎしながらもゆっくりうなづいた。
「うん、友達」
「へへ、今ちょっと青春ぽかったろ」
「どうだろ、痛々しい話聞かされたばっかだし」
「……………俺、ほんとどうしたらいいんだろうな」
「だから女の子たちと別れなって。
それしか道、ないから」
僕の言葉に、水野は拗ねたようにうつむき
こんっと隣のタイヤを蹴った。
「だって、考えるとつらいんだもん」
永遠に叶えることを許されない恋をしている僕と
果たしてどちらがよりバカと言えるだろう。
バカな者同士、たしかに
僕と水野は気が合うのかもしれなかった。
水野と僕は、タイヤの上で
ぼんやりと子どもたちをながめた。
僕にも、いや、『僕等』にも
あんな時間(じき)があっただろうか。
綺麗に整備された四角い花壇の中で
何というのかわからない花たちが揺れている。
品種改良され、もはや人の手なしでは生きてゆくことすらままならない、か弱い花々。
「水野、いつか刺されるよ」
「うん、ちょっと怖かったりする」
「ま、わたしには関係ないけど」
「ひで……つかもう『僕』っていわないの?」
「……それはもう忘れて」
「えーやだー」
水野は僕の顔を覗きこみ
にっと笑った。
「なぁなぁ、俺たちってさ、友達だよな」
僕はどぎまぎしながらもゆっくりうなづいた。
「うん、友達」
「へへ、今ちょっと青春ぽかったろ」
「どうだろ、痛々しい話聞かされたばっかだし」
「……………俺、ほんとどうしたらいいんだろうな」
「だから女の子たちと別れなって。
それしか道、ないから」
僕の言葉に、水野は拗ねたようにうつむき
こんっと隣のタイヤを蹴った。
「だって、考えるとつらいんだもん」
永遠に叶えることを許されない恋をしている僕と
果たしてどちらがよりバカと言えるだろう。
バカな者同士、たしかに
僕と水野は気が合うのかもしれなかった。