box of chocolates
 店が終わって、家族四人での食事。最近は、とわさんと五人で食べることが多かったから、家族だけの食事は久しぶりだった。

「とわに、プロポーズしようと思っているんだ」

食事が終わり、兄が切り出した。
「そしたら私、とわさんの妹になれるんだ?」
「うん」
「杏も喜んでいるし、もちろん私たちは賛成よ。あちらのご両親は、どうなの?」
「うん、まぁ、オレのことを知っているし、反対はされないとは思うけれど」
 自分のことじゃないのに、なんだか嬉しくて仕方がない。この喜びを誰かに伝えたい。その時、ふっと戸田さんの顔が頭に浮かんだ。

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