お伽噺を紡ぐふたり
「あ…!」

慌ててリベルテはキースの手を掴む。その様子はさっきとはまるで違う、最初の紳士的な様子とも違う、どこか儚げで消えてしまいそうな印象があったからだ。

「怖くないです…!!にげちゃってごめんなさい!!」
「そう?」
「はい!助けてくれてありがとうございます…」

半獣は基本的にモノ扱いであるが故に奴隷のように、時には娼婦のように扱われるのだ。

「急に怒って…早歩きされるから、いなくなってしまうかと思いました。」
「怒ってたんじゃないよ…なんていうかね、言葉にはし辛いんだけどさ…っていうかね、早速絡まれちゃうし、リベルテは本当なんなの?」
「不可抗力じゃないですか…!」
「可愛くなるのも考えものだなぁ…」

リベルテはキースの顔をまじまじと見た。

「可愛い…ですか…?」
「……今のなし」
「え!本当ですか…??」
「…だから、君は充分可愛いよ、もう、これでどう?」

キースは顔を真っ赤にしながら、観念したようにリベルテの頭を撫でた。

リベルテは直感を感じた。

彼と共にあることで、自分のこれからの人生が彩りを取り戻すことになるのだろうと。

けれどこの時はまだ知らなかった。
彼の抱えた闇を。
< 12 / 12 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

天神楽の鳴き声
果衣/著

総文字数/70,677

ファンタジー133ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
国の守神、そして人喰い樹ー天神楽 囲うように造られた宮に住まう、 大多数の幸せのための犠牲 □■□ 「この世界を自分の目で見つめたいの」 選ばれた巫女、雛生 × 「束の間でもいい、おれは幸せを望むよ」 帝、志臣 崩壊していく国で結ばれる婚姻ー… そこに在る愛、 過去と秘密と そして、 暴くことは罪かー? 破壊を望む者と安寧を望む者 「どうか、幸せになることを許してください」 ■□■ 「頼りなくても、 君が悲しい時には、側にいて、 支えてあげたいんだ」 「私にはっ、 そんな資格ない、優しくしないで…」 そう言って、撫でられた時、 心の奥、固まっていた場所が 心地よい速さで 溶けて行く。 ■□■ ⚫︎少し修正しました。気にしないで頂けると嬉しいです。 ✳︎のマークの付いた場所は番外編です。
本と私と魔法使い
果衣/著

総文字数/85,479

ファンタジー251ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
*―…―* 頭は悪いけど至って普通 和泉咲音(イズミサキネ) × 外見王子、しかし性悪 和泉春人(イズミハルト) *―…―* ふたりは親の再婚で 義兄妹になってしまう どこか信用ならない和泉のせいで図書館で“化ヶ物”との戦いに巻き込まれ、 ・ー†ー・ 明らかになる、自分の運命―… ・ー†ー・ その背景には 過去が交錯していて―… お互い似た悩みを持つが、真逆の2人に芽生えるのは? 幾つもの深い愛が絡み合い、 今があるのだと私たちは忘れてはならない。 それは、慈しみであり、 憎しみなのだ。 ■◇■◇■◇■◇■◇■◇■ どうかあなたも幸せな夢を 物語は必ずあなたを 待っているのだから―… □◆□◆□◆□◆□◆□◆□ 親子の絆と、ラブファンタジー 拙さばかり目立ちますが、読んでいただけると嬉しいです。 レビューありがとうございます!! 相楽生一さま 楪小鳥さま 猫の宅急便さま 実城玲彩菜さま ◆オススメ小説に選ばれました!! ◆ジャンル別ランキング最高14位 ありがとうございます!! ◆パープルレーベルの選考通過、ありがとうございます!
水中少女(短編)
果衣/著

総文字数/1,564

青春・友情4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
◆◇◆ ○。 ・ ゚. 人の気持ちは なんで、 こんなに重いのか。 その想いに 身体はゆっくり 沈んでいって―… 息ができなくなりそうだ。 。. ・ ○ ◆◇◆ ひねくれた女の子は、 ゆっくりゆっくり 沈んでゆく―… 君に逢った時、 \thanks/ 楪小鳥さん 蒼井深可さん のらいぬさん マヤノさん

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop