愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

そして嬉しい事が、もう一つ。


私を悩ませ続けていた数々のストーカー行為がピタリと止んだんだ。


いつもどこからか見られている様な気がしてた気味の悪い視線も感じなくなり、一人で行動する事も怖くなくなった。


美奈子は警察が警告してくれたんだと、まるで自分の事の様に喜んでくれた。彼女もまた、あの合コンに私を誘った事を後悔し、責任を感じ落ち込んでいたから…


何も無い平凡な日々がこんなに幸せなものだったなんて…やっと心が晴れ、残りわずかな学生生活を満喫することが出来た。


でも…なぜだろう…何かが心に引っ掛っていた…



そして、卒業が間近に迫ったある日の夜の事だった。


テレビを観ながらこたつでくつろいでいると美奈子が私に真顔で話し掛けてきた。


「真央…大切な話しだから真剣に聞いてね…」

「えっ…うん…」

「和弥君の事だけど…」


心臓がドクンと一つ大きく脈を打つ。


「もう、忘れよう…ねっ?」


俯き言葉が出ない私の顔を覗き込み美奈子は続ける。


「お願い。私達、卒業したら今みたいに毎日顔を合わせる事無いんだよ。真央がまた、和弥君に似た人を追いかける事になっても、私、止められないよ…このままじゃ心配で…私、真央が傷付く姿…もう見たくないの」


「…美奈子」


美奈子の優しさが胸に沁みる。

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