愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

「沙紀!いい加減にしろ!」


今まで黙っていた和弥が声を荒げた。


「部長の前で失礼だろ!場をわきまえろ!」

「…だって、本当のことだもん。それに、部長さんほどの人がそんな昔しの事気にする訳ないよ。そうですよね?部長さん」

「あ…あぁ、俺は別に気にしてないから…桜井落ち着け…」


その言葉は嘘…龍司は明らかに動揺していた…


「ねぇ、真央、今でもその男子の事、好き?やっぱり初めての人って忘れられない?」

「沙紀…」

「沙紀!!やめろって言ってるだろ!調子に乗りすぎだぞ。真央さんが困ってるじゃないか!」


和弥は本気で怒ってる。このままじゃ喧嘩になっちゃう…


「桜井君…私の事はいいから、そんなに怒らないで…」


すると龍司が私に「支払いを済ませてくる…」と耳打ちし、席を立った。それに気付いた和弥が龍司の後を追う。


取り残された私と沙紀…


龍司の前では愛想良く笑っていた沙紀だったけど、私と2人っきりになると態度がガラリと変わり、テーブルに片肘を付きグラスのワインを一気に飲み干す。


「ふぅ~ん、真央さんに桜井君か…彼氏の前ではそう呼び合ってるんだ…秘密の関係ってワケ?」

「沙紀、どうしちゃったの?…私と和弥は、もう別れたんだよ。和弥は沙紀のモノなんだよ…」

「そんなの…分かってる!今のは警告だよ!いい?和弥を誘惑したら許さないからね。覚えといて!!」


沙紀は吐き捨てる様にそう言うと席を立ち、和弥の元に駆けて行った…


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