愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

麗子達と飲みに行った次の日

2月10日―――…


龍司が来ると思って待っていたが、なんの連絡もないのでもう寝ようと寝室のドアを開けた時、龍司から電話が入る。


「どうしたの?今日は来ないの?」

『…あぁ…今夜は実家に帰るよ…』

「そう…今まで飲んでたの?」

『…ん、まぁな。なぁ、真央…』

「ん?」

『君は…その…本当に…』

「本当に…何?」


会話が途切れ龍司の微かな息遣いだけが聞こえてくる。


『いや…なんでもない…』

「えっ?なんでもないって何言ってるの?…りゅう…じ」


あ…切れた…変な龍司…酔っ払ってたのかな?


その時は、さほど気にも留めなかったけど、その奇妙な電話は次の日も、また次の日も続き、何かを聞こうとしてるのに結局、何も聞かず電話を切ってしまう。


そして、一度も龍司がマンションに顔を出さないまま写真撮影の日を迎えようとしていた。


―――2月13日深夜


「明日は写真撮影の日だよね」

『あ、あぁ…』

「10時までに式場に入ってほしいって言われてるの。龍司、マンションまで迎えに来てくれるの?」

『…………』

「龍司?聞いてる?」

『…えっ?ごめん。なんだって?』


龍司、どうしちゃったの?明らかにおかしい。

< 333 / 362 >

この作品をシェア

pagetop