愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

呆れ顔の和弥が扉を開け、玄関横の階段を勢い良く上がって行く。


2階の和弥の部屋で3人輪になって座ると、森本君が、まるで自分の部屋みたいにくつろいぎながらタバコを銜え発泡酒を一気飲みする。


「はぁ~…うめぇ~!!お前らも飲めよ」

「俺はいらねぇよ…」


和弥はそう言うと、不機嫌な顔をして森本君の持ってたタバコの箱を奪い取り、慣れた手つきでライターで火を点けた。


「和弥…タバコ…吸うの?」


私は驚いて眼を丸くする。


「あぁ。誰かとは違って、家でしか吸わないけどな…」

「なんで?」

「学校で見つかったら部活停止になるし、そうなったら皆に迷惑掛けるだろ?」

「そう…」


私の知らない和弥が、そこに居た。私は和弥の事、まだ何も知らないのかもしれない。


ちょっびりテンションを下げた私とは反対に、森本君は次々と発泡酒を空け、かなりテンションを上げている。


ナンパした女の子を何時間で落としたとか、今まで経験した女性は100人以上だとか…武勇伝を自慢げに披露しだした。


私と和弥は微妙な面持ちでその話しを聞き、時折、苦笑い。


森本君の独壇場と化した和弥の部屋。
一体、私はここに何をしに来たんだろう…なんて疑問に思いだした時だった。
森本君が「腹減った。なんか食わせろよ」と和弥の制服を引っ張り、駄々っ子みたいに足をバタつかせる。


「俊、もういい加減、帰れよ」

「ヤダね。真央も腹減ったろ?可愛い彼女にウマいモン食わせてやれよ」


えっ…どうしてそこで私が出てくるの?


「仕方ねぇな…昨日の鍋の残りで雑炊でも作るか。俊、食ったら帰れよ」


和弥は渋々立ち上がり部屋を出て行く。


和弥って、料理出来るんだ…凄い…また和弥の事、一つ知った。


そう思いながら向き直ると…


「えっ?うそ…」


さっきまで元気一杯だった森本君が寝転がり、気持ち良さそうに寝息をたててる。




< 39 / 362 >

この作品をシェア

pagetop