愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
次の日は朝から体験学習。私は陶芸を選びシーサーの置物作り。でも、シーサーというよりブタの置物にしか見えず、自分の芸術センスの無さに大いにへこんだ。
気を取り直し、昼食を済ませ自由行動で班の人達とお土産を物色していると、沙紀の姿が見えない事に気付き心配になって辺りを探してみると…
少し離れた土産物屋の前で沙紀と俊が話してるのを見つけた。
あの2人…どうして…
俊のあんな真剣な顔見たのは、前に駅であの2人が話しているのを見た時以来だ。何を話してるの?
2人に近づく事も、この場を離れることも出来ず、ただ眼の前の2人を眺める事しか出来ないでいる。暫くすると俊が私に気付き、沙紀に何か言うと私の方に駆け寄ってきた。
「よう!何ボケーってしてんだよ」
「別に…沙紀と何喋ってたの?」
「ん…?昨日は大声出して悪かったって、木村が謝ってた…」
「それだけ?」
「ああ…」
そんな話しじゃないはず。もっと真剣な話しをしていた様に見えた。
私の心の中に芽生えた疑いの念がどんどん大きくなっていく…
この2人…もしかして…
夕方、宿泊先のホテルに着き部屋に入ると、前日とはかなり違って豪華な部屋。どのベットに寝るか皆でジャンケンして、それぞれベットに寝転び大はしゃぎ。
「はぁ~いいねぇ~。やっぱ、こんなホテルじゃなきゃー」
「そう、そう」
隣のベットの沙紀に眼をやると、大きなため息をつき天井を見上げている。その横顔は、何か思い詰めている様に見えた。
「沙紀…」
「ん…?」
「さっき、俊と話してたよね?沙紀と俊って、いつからあんなに話す様になったの?」