疑惑のグロス

「苑美ちゃん、今ヒマ?」

「ヒマだけど、あんたのためにメールの文面考えてるから、ヒマじゃないかも」

「ああ、そのこと。

メールじゃなく、直接話した方が早いかなって思ってさ。

今からそっちに行ってもいい?」


私もその方が助かる。

ただでさえ、ゆた宛のメールは慣れないのに、慰めの言葉なんていつまでたっても見つからない気がしていた。


「うん、いいよ。

おばちゃんには、花はいいからねって言って」


……これからゆたの失恋話をしようってのに、花を持ってこられても、ねえ。




一輪の花の代わりに、ゆたは小さなキャンディがたくさん入った瓶を持ってきた。


「母ちゃんが持ってけってうるさいんだよ」


キャンディの向こうに、苑美ちゃん頼んだよ、と笑うおばちゃんの姿が浮かんだ。

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