期間限定の彼女


あたしが 病室へ着いたのは
手術前 もう少しで 手術室へ移動すると
言うところだった。



「おう!菜摘 来てくれたのか?」


「うん 母さんが どうしてもって
頼むから来たのよ」


素直じゃないあたし。


こんな嫌みしか言えないのか
と少し 反省。


「来てくれて ありがとな」


「早く元気になりなさいよ!
また あたしと喧嘩したいでしょ!」


なんて 嫌味も 一言付け加えた。


それは 手術前の父さんの緊張を
解すためでもあった。


父が いつも以上に 小さく見えたから…。

< 159 / 281 >

この作品をシェア

pagetop