同期が急に変わったら…。〜将生side〜




今日のスタートは、

俺を起こすいずみの声から始まった。





『将生っ。』





んー?

朝か?






睡眠時間は少ないが、

熟睡したおかげで

目覚めはスッキリしていた。






いずみと朝飯を食べて、

出勤の支度をする。






スーツを着て

ネクタイを締めていたら、

ふと視線を感じた。






『どうした?』

『別に〜。』






出勤の支度を済ませたいずみが、

俺の着替えをじーっと見ている。






『なんだよ?』

『かっこいいよ。』

『アホか。』

『じゃあ、かっこ悪い。』

『ふうん。今日仕事たっぷりやるよ。』

『課長〜。今日はダメです。』

『残業してろ。』

『ヤダ。』






そうだな。

今日の夜を楽しみにしてるもんな。

ちゃんと、

一緒に行こうな。







『ほら、行くぞ。』

『うん。行こ。』







一緒に出勤し、

今日も途中から別々に歩き

俺が先に会社に入った。







朝イチで企画に顔を出し、

夏木部長に挨拶をする。






『部長、
ご理解ありがとうございました。』

『いや。お前らには負けたよ。
しばらく派遣頼んだから。』

『そうですか。すみません。』

『いや。営業もキツいんだろ?』

『はい。ウチもギリギリですよ。』

『だろうな。ま、1年だぞ。』

『はい。分かってます。』






1年か。

部長、1年より早くなりそうですよ。






1年なんて、もう待てない。






一年ほど付き合って……、

と考えていたんだが。






予定変更だ。

もう、

いずみの居ない部屋に帰るのは

嫌だから。






が、

それは、また今夜の話。






まずは、

今日も仕事だ。

やるか。





< 117 / 163 >

この作品をシェア

pagetop