俺の彼女になってもいいよ?ー番外編ー

*大好き*

港がおかしいよ…。
あからさまに私を避けてる気がする。
「好きって言って」
って言っただけなのに…。
そこまで拒否られると逆に言わせたくなるんですけど。
「港…」
そういって港に抱きつく。
抱きしめ返してくれると思ってた。
「やめろよっ!」
港から返ってきたのは、私の“好き”に答える“好き”って言葉でも、抱きしめ返すでもなかった。
拒絶の言葉ー…。
何で?何で?
さっきまで普通に話してたじゃない。
笑ってたじゃない。
「うっ…」
つぅっと頬を伝う涙。
私のこと、嫌いになった?
「あー…もうっ!」
そんな私をみて、港はじれったそうに髪をぐしゃぐしゃっとかきむしった。
「あのなぁ、俺はっ…」
そこまで言って港はうつむいて黙り込む。
ー…?
「~なんだよっ!」
「ふぇっ?」
うつむいているからか、最初の言葉が聞き取れない。
「もう一度言って?」
「だからっ!汐留がんなエロい格好してるからだろ!?」
へぇ?
私のせい??

「だからっ汐留がんなエロい格好して近づいてきたら…いろいろヤバいだろっ」
真っ赤になる港。
「ヤバいって何が?」
だって本当にわかんない。
「っ~理性だよ!止まんなくなんの!俺がっ!」
えっとぉ、それはつまり…
「私のことが好きってことだよね?」
なんかよくわかんないけど、港の言い方だと“好き”って言われてる見たいに聞こえる。

ねぇ、港…。
「最初、港が“俺の彼女になってもいいよ?”って言って来たとき、嬉しかったんだよ?」
「え?」
びっくりしたけどね。
「私は港が好きだったから。」
「…」
「だから、港からの“好き”が欲しいの」
聞きたいよ…。
好きだから、聞きたいの。
「ごめん。あのさ…」
港が少し考えこんで、口を開く。
「うん」
「“俺の彼女になってもいいよ?”って言ったけどあれなし」
「うん…」
「俺は汐留が好きだから」「…うん」
「だから、俺の彼女になって」
真剣に。ただまっすぐに私の目を見て言った港。
「うぅ~」
そこまできて私は完全にノックアウト。
港と付き合って私の涙腺緩みっぱなしじゃん。
やられっぱなしは悔しいなぁ…。
「しょうがないから、私が港に付き合ってあげるよ」
それを聞いて港はにやっと笑う。
しまった。調子乗りすぎたよ…。

「ふ~ん?いいんだ?そんなコト言って。」
ひぃっ悪魔がいるよ。
ってあれ?
じりじりとまた迫ってくる港。
ヤバい…
危険信号発令中。
「ごっ…ごめんね?港っ?もう調子乗らないから!」
「大丈夫」
ほっ…許してくれた…。
なんてほっとしたのもつかの間、現実はそう甘くないわけで。
「もう二度と調子乗らせないから。」
そういって港の手は私の服の中に伸びてきた。

う~ん。やっぱり、この悪魔と付き合うなんて、からだが持たないかも?
だけど、港はちゃんと“好き”って言ってくれた。

“俺の彼女になってもいいよ?”
の一言から始まった、私たちの関係。
そしてその関係はこれからも続いてく。
だから、これからも私だけの彼氏でいてね?
あ、それから一言。

“私の彼氏になってもいいよ?(笑)”                                                                                                                                                       
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