儚語り
滅びた国
御柱の国は、巫女を柱とし巫女はずっと眠らず国を視続けなければいけない。じゃないと、存続する事ができない神が切り離した――見離した国。



だから、鬼火も鬼火の兄も母から育ててもらわず、神社に控えてる巫女たちにすべて任せられ、大きくなった。



だが、鬼火の記憶にはいつも母の代わりに兄がいた。



蒼の髪を持ち、背が高く巫女や国の人々から信頼され、いつも読書をしていた記憶がある。



“大丈夫、神はいるさ”



それが兄の口癖で鬼火が最後に聞いた言葉。



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