甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
「えっ……そのぉ……手……。」


ユズさんの見かけにはよらず
結構な力でグイッと私の左手は
引っ張られている。


そして右手は坂下さんに。


傍から見れば両方の手を
それぞれから引っ張られ
ちょっと面白い感じになってる。


「行っちゃダメ、胡桃ちゃん。
ほら、サトルからも何とか言いなよ。
いつまで意地になってんのよ。
言っとくけどね、
私とお母さんの問題なら
解決したんだからね。
変な気回さないでよ。」


「変な気って何だよ。」


ぶっきらぼうに答えるサトルさん。


「惚けないでよ。
大体、お母さん倒れたとかって
サトル言ったけど
会ってみたら階段踏み外して
軽い捻挫しただけじゃないのよ!
本人、ピンピンしてたわよ。
点滴だって、聞けば折角病院に来たから
やっとく?って感じじゃないのよ。
なのに重病人みたいに
深刻な言い方するんだもん。
ねぇ、わざとでしょ?
私とお母さんをなんとか対面させたくて
あんた仕組んだんでしょ?」











なんだぁ……
そうだったんだ。


取り敢えず
大した事なくて良かったよ。


て言うか……


私、いつまでこの状態なの?


するとーーー


「分かったって。
ったく、うるせぇな。
大体、トキさんもお前も
頑固なとこそっくりなんだよ。
誰が見たって正真正銘の親子だよ。
っで、お前、ほんと大丈夫なんだな?
ちゃんと今の自分をトキさんに
全部さらけ出してきたんだな?」


ユズさんが大きく頷く。


「そっか。
ならもう俺の出番も要らない訳だ。
てな訳でーーー」


次の瞬間、何が起こったのか
理解出来なかった。


ただ、ヒョイっと
体が浮く感じがしたかと思うと……


「ユズ、後は任せた。
坂下ーーー、わりぃな
今回ばかりは俺、譲れねぇわ。」


そう言うと
サトルさんはその場を離れた。







私を肩に担いだまま………。







ひ、ひ、ひぇ〜〜〜!


顔を上げ、坂下さんたちを見ると
ユズさんは私に向けて
親指立ててGOOD LUCK!
なんて言ってるし


坂下さんと言えば
額に手をあて
悔しげにこっちを見てる……。


「おい、動くなって、重いだろが。
ケツ叩くぞ。」









い、いやぁーーーーーーーーーっ!


















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