甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
「うぅ……。
頭痛い……。」
結局、
あの後、私も結構飲んじゃって、
はしごするし、
カラオケ行くしで……。
二日酔いです。
ベッドサイドに置いた
スマホを見ると、
「なぁんだ、
まだ、9時かぁ。
もう一眠りしようっと。
こんな二日酔いじゃ、
さすがにスイーツの一つも
食べる気しないよ。」
今日は会社休みだし、
私は布団にもう一度深く
潜り直すと、
また目を閉じた。
ブルッ
ブルッ
ブルッブルッ
ブルッブルッブルッ……
「もうっ、何なのよっ!」
私は再び、
ベッドサイドで振動する
スマホを手に取った。
″天才和菓子職人サトル様″
スマホの画面に出ている
文字を見て、
即効、無視して布団に潜り込んだ。
ブルッ
ブルッ
ピンポン
ブルッ
ピンポーン
ブルッブルッ
ピンポンピンポンピンポンピンポン……。
「うるさぁぁぁああいっ!!!」
私はスマホを手に取り、
電話に出ると同時に
玄関のドアを開けた。
もちろん、
確認窓を覗いてから……。
「お前さぁ、
彼氏が初めて家に来てやったのに、
色気ねぇ格好してんじゃ
ねぇよ。」
はあ?
彼氏が?
勝手な事言って。
しかも
色気ねぇ格好ですって?
ゆっくりと
下を向くとーーー
はっ!
ヨレヨレのTシャツに
高校の時の体操着だった、
小豆色のジャージを履いていた。
あっちゃあ~。
夕べ酔っぱらってて
適当にタンスから引っ張り出して
着たんだよね……。
寄りによって……ガクッ。
「てゆーか、
なにしてんですか?
こんな朝っぱらに人の家に
押し掛けてきて。
第一、なんで部屋分かったんです?
あの時、
上まで送ってもらわなかったのに。」
「甘いなお前。
ちゃんと俺は部屋まで
無事にたどり着いたか、
車の中から見てたの。
お前が部屋に入るまで、
見届けてやってたんだ、
感謝しやがれっ」
はあ?
「気持ち悪いですっ。」
「お前……、
彼氏に気持ち悪いだと……
ってゆーか、
まあ、いいわ。
早くもうちょっとマシな格好に
着替えろよ。」
「彼氏と思っていませんっ!
てゆーか、
なんで着替えなきゃ……。」
「何でって?
出掛けるからだろうが。
お前、いくらなんでも
小豆ジャージはねぇよ。
よっぽどの和菓子好きかよ、
クックックックッ……。」
「好きで着ている
訳じゃありませんっ。
たまたまです。
それに、あなたと
出掛けるつもりもありませんから!
後もうひとつ、
私、試しで付き合うとか
一言もまだ言ってませんから。
勝手に彼氏気取りやめてください。」
言ってやった。
どうよ、香澄。
私だってやればできるのよ。
ハッキリと断ってやったわよ。
「あっそ。
折角、人がさぁ、
和菓子協会主催の
新作発表会があるから、
誘ってやろうと思ったのに……。
色んな銘店の和菓子食わせて
やろうって…………
まっ、仕方ないな、じゃっ!」
と、
閉まってゆく玄関先のドアに
足を素早く挟んだ。
「ま、待って。」
「何だよ?何か用?」
「…………行きます。
行きますとも。
銘店の味、確かめに
行きますともぉ~っ!」
呆気なく、
食い意地に負けた22歳の春……。
「ったく、
最初からそう言えよ。
早く用意しろっつーの。」
取り敢えず、
ワンルームの
私の部屋に入って貰うと
着替えられないので、
ドアの外で待って貰うことにした。
頭痛い……。」
結局、
あの後、私も結構飲んじゃって、
はしごするし、
カラオケ行くしで……。
二日酔いです。
ベッドサイドに置いた
スマホを見ると、
「なぁんだ、
まだ、9時かぁ。
もう一眠りしようっと。
こんな二日酔いじゃ、
さすがにスイーツの一つも
食べる気しないよ。」
今日は会社休みだし、
私は布団にもう一度深く
潜り直すと、
また目を閉じた。
ブルッ
ブルッ
ブルッブルッ
ブルッブルッブルッ……
「もうっ、何なのよっ!」
私は再び、
ベッドサイドで振動する
スマホを手に取った。
″天才和菓子職人サトル様″
スマホの画面に出ている
文字を見て、
即効、無視して布団に潜り込んだ。
ブルッ
ブルッ
ピンポン
ブルッ
ピンポーン
ブルッブルッ
ピンポンピンポンピンポンピンポン……。
「うるさぁぁぁああいっ!!!」
私はスマホを手に取り、
電話に出ると同時に
玄関のドアを開けた。
もちろん、
確認窓を覗いてから……。
「お前さぁ、
彼氏が初めて家に来てやったのに、
色気ねぇ格好してんじゃ
ねぇよ。」
はあ?
彼氏が?
勝手な事言って。
しかも
色気ねぇ格好ですって?
ゆっくりと
下を向くとーーー
はっ!
ヨレヨレのTシャツに
高校の時の体操着だった、
小豆色のジャージを履いていた。
あっちゃあ~。
夕べ酔っぱらってて
適当にタンスから引っ張り出して
着たんだよね……。
寄りによって……ガクッ。
「てゆーか、
なにしてんですか?
こんな朝っぱらに人の家に
押し掛けてきて。
第一、なんで部屋分かったんです?
あの時、
上まで送ってもらわなかったのに。」
「甘いなお前。
ちゃんと俺は部屋まで
無事にたどり着いたか、
車の中から見てたの。
お前が部屋に入るまで、
見届けてやってたんだ、
感謝しやがれっ」
はあ?
「気持ち悪いですっ。」
「お前……、
彼氏に気持ち悪いだと……
ってゆーか、
まあ、いいわ。
早くもうちょっとマシな格好に
着替えろよ。」
「彼氏と思っていませんっ!
てゆーか、
なんで着替えなきゃ……。」
「何でって?
出掛けるからだろうが。
お前、いくらなんでも
小豆ジャージはねぇよ。
よっぽどの和菓子好きかよ、
クックックックッ……。」
「好きで着ている
訳じゃありませんっ。
たまたまです。
それに、あなたと
出掛けるつもりもありませんから!
後もうひとつ、
私、試しで付き合うとか
一言もまだ言ってませんから。
勝手に彼氏気取りやめてください。」
言ってやった。
どうよ、香澄。
私だってやればできるのよ。
ハッキリと断ってやったわよ。
「あっそ。
折角、人がさぁ、
和菓子協会主催の
新作発表会があるから、
誘ってやろうと思ったのに……。
色んな銘店の和菓子食わせて
やろうって…………
まっ、仕方ないな、じゃっ!」
と、
閉まってゆく玄関先のドアに
足を素早く挟んだ。
「ま、待って。」
「何だよ?何か用?」
「…………行きます。
行きますとも。
銘店の味、確かめに
行きますともぉ~っ!」
呆気なく、
食い意地に負けた22歳の春……。
「ったく、
最初からそう言えよ。
早く用意しろっつーの。」
取り敢えず、
ワンルームの
私の部屋に入って貰うと
着替えられないので、
ドアの外で待って貰うことにした。