甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
ってゆーか、
なんで私が怒られなきゃなのよっ。


「その、兎に角お二人とも
やめてください。」


と、今度は囁くくらいの
小声で二人に訴えかける。


「おい、お前そもそも俺との約束
忘れた訳じゃねぇだろな?」


「約束?って、お試しで
付き合うってやつですか?
だって、あれはまだちゃんとお返事
していないじゃないですか。」


「返事も何も、和菓子食い放題って
言ったときのお前の顔みりゃ、
オッケイも同然だろが。」


うっ、確かに……。
確かに、いいかもと思った。


「でもぉ……。」


「でももないだろ?
兎に角、試しでって言ってんだし
お前がうなずきゃ、俺は見合いを断れて
お前は和菓子をたらふく食えて
全部が丸く収まる。
あわよくば、本物の恋に発展するかも
しれないしな。」


と、満面の笑みを浮かべるサトル。










「へぇ~、そう言うことなんだ。
なるほどねぇ……。」


「ちっ、お前、まだいたのかよ。」


「いたもなにもずっとここに
座っているじゃないですか?」


「ああ~、そうだっけな。
お前はいっつも姿を上手く消して
人の話を盗み聞きするのが得意なんだっけ?」


「サトルさん……、
まだ根に持ってんですか?
ほんっと、見た目たけじやなく、
心まで猫の額だ。」


「はあ?猫の額だと?」


「クックックッ……、狭いって事ですよ。
そのおでこより心がね。
兎に角、お二人の関係は
よく、わかりました。
じゃぁ、僕もハッキリと言いましょう。
村崎さん、僕とも試しで良いから
付き合ってよ。」



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