clover's mind
「しかしまゆみくんはどうしたのかね?」

 マスターがカウンター越しに話しかけてくる。

 いや、客に尻むけるのは接客業としてどうかと思うんだが……。

「今日は比較的混んでないし……草太、ちょっと様子みてきてくれないか?」

「ぬはぇ?」

 唐突な提案に頓狂な声をあげる俺。

「いや、そりゃ、まぁいいですけど電話かけたらどうなんです?」

「出ないんだよ。さっきから何回かかけてるんだが」

 そんなこたぁわかってますよ。

 電話は俺のすぐ横にあるんだから。

 ただ啓示のようなお話にがっついてしまうのもなんだなと思っただけです。
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