clover's mind
 とりあえず膝の上のケーキを横に置く。

 あ、視線がケーキを追うようにして動いた……あぁ、やっぱり食べたいの必死に我慢してるのね。

 ごめん。

「ごめんね」

 頭の中に浮かべたのと同じ台詞をケーキに視線を向けたままいうもんだから、つい食べてやれないケーキにたいしていったのかと思ったが、どうやらバイトを休んだことをいってるらしい。

「気にすんなよ。しかたないっしょ、おやしらずじゃぁな」

「うん。マスターにもよろしくいっておいてくれる?」

「おやすいごようでございます、姫様」

「っぷ。なによそれ」

 お、少し和んだかな?

「明日はどうだ? 出てこれそうか?」

「たぶん」

「そっか。マスターには俺からもいっとくけど、自分でも電話しとけよ?」

「うん」

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