clover's mind
 ふぅ、なんとか穏やかな空気で終わらせることができそうだな。

 今日はこのくらいにしてまゆみの気分が変わる前に帰ってしまおう。

 欲張るとろくな事がない。

 これ、じいちゃんの座右の銘。

 よっこら、と俺は腰を上げ、

「あ……」

 しょ、といおうとしたところで彼女が声をあげた。

 変なところで動きを止めさせられたもんだから、いまから便座に腰掛けるような恰好で固まっちまった。

「どした?」

 中腰の、そのままの姿勢で話す俺。

「……あのね」

 なぜかうつむきながら膝の上の指を“もじもじ”させるまゆみ。

 ま、まさか!

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