俺はこわくない!!



「わぁ……!!」

 次の瞬間起こった事に、最初に反応したのはミカだった。

 町中がランタンの灯りに照らされ暖かな雰囲気に満ちーー空から、小さなパラシュートでゆらゆらと、色とりどりのお菓子が降ってきた。

「これ、あたしの願い事だわ……!」

 ミカの言うとおり、これはミカの願い事だった。『空からお菓子が降ってきたら、キャンディーを見つけられなかった人も一緒に、みんなで、ハロウィンを楽しめるかな』それが、ミカの考えていたことだ。ーーまったく、ミカらしい。

「とっても嬉しいけど……いいの?ダネルの願い事は?」

「俺の願いも叶った」

「え、そうなの?いつ?」

 ゆらゆらと、目の前に降ってきたお菓子を手に取り、ミカに差し出した。

「わぁ……ありがとう!」

 とても嬉しそうに笑ってくれる。

「今」

「へ?」

「ーーほら。カインとウィルが呼んでるぞ。競争に負けて、カインはうるさそうだな」

「あ、競争してたんだっけ。なだめなきゃね」

「ああ」

 楽しそうに、ミカは二人の方に走っていく。

「珍しい願い事をしたわね」

 声に振り返ると、クイーンゴーストがにやにやしている。

「……悪いか」

「いいえ?とても素敵な願い事だったわよーーそれじゃ、いいハロウィンをね!」

 そう言い残して、クイーンゴーストは住民たちの方へと行ってしまった。

 自分が口にした願い事を思い返して、顔が熱くなる……。

「ダネルー!なにしてるのー?」

「なんでもない。今行く!」

 俺は、こう願ったのだ。

『ミカの笑顔が見たい』とーー。



         Happy Halloween!!
< 17 / 17 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

あたしは美味しくない!!
quack/著

総文字数/38,630

ファンタジー92ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
登校途中 横断歩道の白線を踏み外したら へんな所に来ちゃった!? そこで会ったのは―― 「いい匂いですね(血が)」 「柔らかそうだな(肉が)」 「純真で質がいい(魂が)」 血を吸う吸血鬼 肉を喰う狼男 魂を奪う悪魔 帰り道を探してくれるって? だけどヨダレがたれてるよ!? あたしは美味しくない!! 異世界に迷い込んだ 10才の少女ミカと 3人の魔物少年の どたばたファンタジー!! ――あたし、帰れるの!?
西瓜怪談
quack/著

総文字数/835

ホラー・オカルト2ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
西瓜(スイカ)というものを ご存知でしょうか? 夏頃になるとよく見かける 緑地に縦縞のーー そう。アレです。 この国に西瓜がやってきたのは 江戸時代ですが 当初 西瓜は人々から気味悪がられる存在でした。 それは 西瓜があるものを連想させるためでした。 その、あるものとはーー 03/22~
××さないで
quack/著

総文字数/626

恋愛(キケン・ダーク)3ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『××さないで』 彼女は、ただただ拒み続けた。 『私を、××して』 彼女は何故、殺し屋になったのか。 ※猟奇、狂気、グロテスクな表現が含まれます。 ※02/27タイトル変更。前タイトル『偽善者』

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop