チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~
…「はい、これみんなからのプレゼント!」

いつ持ってきたのか、圭織が大きな袋を渡してくれた。

ケーキを食べていたあたしは、思わず目を丸くする。

「でかっ!」
「大は小を兼ねるっていうでしょ!ね、開けて開けてっ」

みんなに促されるがままに、あたしは大きな包みのリボンをほどいた。
開いた口から覗き込む。

「わ…何これ、抱き枕?」
「そ!しかもバナナ!」
「バナナぁ?」

がさがさと取り出したそれは、大きな黄色いバナナだった。
思わず吹き出す。

「あはっ、何でバナナなの~!?」
「うけた!?一番ダサいやつにしたっ」
「ちょっと、もっと可愛いのあったでしょ~」

口ではそう言いながらも、あたしは嬉しくてしょうがない。

「これどうやって持って帰んのよ。もー、ありがとー」
「けなしてんのか喜んでんのかどっちだよっ」
「これ選んだの、真之だからな」
「ナイスセンスだろ」

バナナを回し、みんなでキャッキャと遊んでいる。
あたしはそれを見ながら、肩を落として笑った。
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