女装系男子。

「俺って…?」「仕事って何?」と、クラスの皆が雅の発言にパニックになっていた



「ねぇ皆、正直な話皆は同性愛って聞いたら引くんでしょ?」



いつも通りの様子で言う雅に皆は目を合わせないように俯いていた



「私達が愛し合ってるっていったら引くんでしょ?」



「雅!!」



「でもね、俺らは同性じゃない」



「…」



私は言葉を遮ろうとするけど瑞希はなにも言わず唖然としていた



クラスはシンと静まり返っていた



「ふふ、皆同じ顔して…、俺は男。和華は女。それだけだよ」



「雅…やめてよ…」



私は雅を愛してなんかいない



前の親友だった雅はもういない、今ここにいるのは…



「な…本当に雅…男、なの…?」



静寂を切り裂いたのはクラスメイトの一言だった



「本当だよ、何ならここで証拠を見せてあげてもいいよ」



そう言うと近くの机に私を押し倒し、私にキスをした



「雅!!やめて!!」



瑞希が怒鳴る



「ふふ、大丈夫。本番はちゃんと二人きりでするから」



「いいかげんに…」



殴りかかった瑞希に、雅は瑞希にしか聞こえないくらいの声で囁いた



「瑞希、バラされたくないでしょ?」



「…っ」



「嫌だったら、何もしないで、この後俺らは出てくから」



…雅は何を言ってるの?ボソボソとなにか言ってるくらいしかわからない



「和華はそんなの望んでない」



「いいの?仕事は」



「…いいよ」



瑞希が雅から離れると瑞希は息を吸った



「和華、」



私に手を差しのべる瑞希



「…行くよ」



「え?」
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