【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
笠置満と別れたその日に

氷室咲輝翔の彼女になった私。

まるでドラマのような

クリスマスと連休を過ごした。


今日からまた会社が始まる。

あと数日間の勤務をしたら

年末年始休暇に入る。

実家に話さないといけない。

咲輝翔さんの事はまだ話せないけど

満君とはもう終わったって事を。

もう二度と笠置満は来ないって事を。

***

トントントントン

私は早く起きて

シャワーを浴びた後

着替えて朝食の支度を始めた。

ピーッ、ピーッ。

ご飯が炊ける音が鳴る。

ネギを刻んで半分はお味噌汁に入れて

溶いた卵に残りのネギと

同じく刻んだ紅生姜と

ちりめんじゃこを混ぜる。

フライパンで卵焼きを焼いていると

「…おはよう、羽美花。
いい匂いだな。」

さっき起きてきて

同じくシャワーを浴びて

サッパリしたあの人が

キッチンに入ってきた。

パーカーにスエット姿なのに

長めの前髪から見える切れ長の目が

朝から私をドキッとさせた。

焼いた卵をお皿にのせた後

「…おはよう…咲輝翔さん。
私のベッド…狭くなかったですか?」

目を見るのが恥ずかしくて

チラリと見た後すぐ俯くと

「…羽美花、俯くなよ。顔見せて。」

と、私は顎を軽く上へ向けられると

“チュッ”と触れるだけのキスをされた。

妖艶に微笑むその表情に

朝から私の顔は紅くなった。


昨日の夕方から

彼と一緒にアパートに戻り

夜は私のベッドで一緒に眠った。

彼のマンションに比べたら

狭い我が家ながら

「…羽美花の移住空間に
入る事を許されて嬉しいよ。
羽美花の匂いに安心する。」

そう言いながら

眠る時も私にたくさんのキスをした。

翌日からの会社の事や

満君の事とか心配事が尽きなかった。

そんな私に

「…何も心配はいらない。
あと、数日間だけだから
羽美花は自分の仕事に専念しておけ。」

と、彼はさらに深く濃厚なキスをした。


















































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