【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
***

咲輝翔さんが

『笠置と豊島の事は俺に任せとけ。』

と、私に言った事が

現実味を帯びてきたのが

もうあと1時間したら昼休みとなる

11時頃だった。

慌てた様子で、システムの先輩社員の

矢田さんがオフィスに戻って来るなり

「おい、野村さん!!
笠置主任に何かあったのか?」

と、私に聞いて来た。

「……えっ!?」

いきなりの質問に私は驚いた。

周囲も何?って視線を向けてきた。

隣に座る麻美先輩が

「矢田さん、何の事?
笠置主任がどうしたんですか?」

と聞き返すと

「…あっ、いや…。
さっき経理部に行ったらさ
笠置主任いなくてさ
なぜか、笠置主任のデスクに
綿貫さんが座ってるんだよ。
部内も何か皆が暗いと言うか
おかしな感じだし…。
で、廊下にいた経理の新人の子に
何かあったのか聞いたらさ
『朝の朝礼で
経理部長と笠置主任と豊島さんが
当面の間自宅謹慎処分になった。と
人事部長から直々に説明があった。』
って、言うんだよ。」

「…えっ!?」

矢田さんの言葉に私は目を見開いた。

「…えっ!?自宅謹慎って何で?」

麻美先輩も驚いてる。

勿論、周囲も…。

「いや…理由聞いたけど
その子にもわからないって。
『野村さんなら笠置主任の彼女だから
知ってるんじゃないか。』って
言ってたけど
なぁ、野村さん。
笠置主任どうかしたのか?」

「…………。」

何も言えなかった。

何となくわかってきたから。

咲輝翔さん…氷室部長の

『俺に任せとけ…いいな?』

と、私に何も言わせないとばかりの

低く威圧感のある言葉。

…直感した。

その満君の事に多分

彼が絡んでるって…。

でも、まだ予想にしか過ぎない話。

「…わからないです。
何も聞いてなくて…私…その…。」

何もわからないから答えられない。

例え、わかったとしても…。

周囲もチラチラと私を見てる。

返答に詰まって俯いた私に

「…矢田さん、うーちゃん困ってる。
多分、彼女も初耳かもしれません。
だから、今は…これ以上は。」

と、麻美先輩が代わりに言ってくれた。

矢田さんも

「…そうだな。野村さん悪かったな。」

と、言ってデスクに戻った。

周囲の視線を感じながら昼休みを迎えた。











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