【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
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後日

私の体調が回復して暫くした頃

咲輝翔さんと私は双方の実家へ出向き

自己紹介と交際の挨拶をした。

私は彼が『バツイチ』である事は

以前に話していたから

両親はどんな男性か気になって

仕方なかったみたいだけど

端正な顔立ちのイケメンな彼を見て

母親は芸能人でも見たかのように

はしゃいで喜んでいた。


父親と兄の奏翔は

彼が『バツイチ』なのを気にして

掘り下げて聞いていたけど

彼は前回の結婚が未入籍である事や

離婚原因も正直に話した上で

私といつか結婚したいと頭を下げて

許しを得ようとしてくれた。

私が学生時代に彼に助けられた事。

笠置満の件でも助けられた事を踏まえ

父親も兄も最終的には受け入れて

交際と将来の事を認めてくれた。

周囲に娘婿&義理息子自慢をしたいと

母親はウキウキしていた。

兄は“年上の義弟”に少し複雑そうだった。

反対されると思っていた彼は

凄くホッとした顔をしていた。


別の日に

彼の両親にも挨拶に会いに行った。

凄く緊張したけど

『落ち着け』と背中を撫でられたら

その後は楽しく談笑出来た。

『羽美花さんは
息子の過去を聞いているか?』

彼のお父さんに聞かれたり

『羽美花さんの両親は
息子との交際を認めてらっしゃるの?』

彼のお母さんからも不安気に聞かれたり

彼の妹の藤堂夏希さんも

私をジッと見ていた。

「…はい。聞いています。
両親も知っていて認めてくれています。

私は咲輝翔さんの過去を知っても
やっぱり大好きだから裏切りません!

私の名前の由来は『天使の花』です。

至らない事ばかりかもしれませんが
咲輝翔さんの心に綺麗で美しい
天使の花を咲かせたいです!!」

つい言葉が力んでいた。

彼の両親は驚いていた。

顔を真っ赤にした彼が苦笑いしていた。

『咲輝翔!いいお嬢さん見つけたな!』

彼のお父さんは喜んでくれた。

『本当にありがとう。』

彼のお母さんは泣きながら

私の手を握ってくれた。

夏希さんも泣いていた。

彼の傷ついた過去を誰よりも

身近で見て、傷ついていたと思うから

ホッとして貰えて安心した。

気の早い話も出たけど

双方の両親に認めて貰えて

後は彼からのプロポーズを

待つだけとなった。

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