【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
視線の先には私の最愛の人が

菊田課長や藤堂兄弟や綿貫主任と

談笑していた。

イケメン揃いで、周囲の女性達が

話しかけに行くタイミングを

チラチラ見ながら狙っているのが

バレバレだった。

既婚の藤堂兄弟は

多分除外されているけど

氷室部長にみんな多分話しかけたいと

思ってるに違いないと思った。

普段もスーツ姿が良く似合ってる人。

だけど、今日はまた一段と素敵で

彼女の私ですら

朝、マンションで支度していた彼に

見惚れていた。

そんな私を見て“クスッ”と笑う彼は

『…羽美花は綺麗だから、他の男に
口説かれないように気をつけろよ。』

と、唇に熱いキスを落とした。

会場に着いてからは別行動で

会話を全くしていないけど

正直なところ、他の女性達とは

また違った気持ちながらも

話しかけたくてウズウズはしていた。

すると、亜美が

「…ところで、羽美花は
もう話は進んでるの…?結婚の…。」

と、はっきりと聞いてきた。

産休・育休中の彼女と会うのは久々。

普段のメールも正田主任への惚気や

彼女と主任の間に生まれた息子の

亜樹也(あきや)君の話題が多い。

だから久々に聞かれた気がした。

「…うーん。
結婚前提だけど、まだ細かくは…。」

私は再びブーケを見つめた。
< 305 / 320 >

この作品をシェア

pagetop