【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜

営業部の長い廊下を歩いていると

「…どうして、ダメなんですか!?」

と、どこからか女性の声が聞こえた。


……えっ!?


私は少し顔を上げて周囲を見回した。


声がするのは

営業部の給湯室からだった。


「…ダメも何もない!!
迷惑だと何度言ったらわかるんだ!!
時間の無駄だ!!
早く職場へ戻れ!!
君は営業部じゃないだろ!?」

男性の怒った声も聞こえた。

この声は…すぐにわかった。

女性の方は確か広報部の

派手で有名なアルバイトの女の子。

癖のあるキツイ香水の匂いが

廊下にいてもすぐにわかる。

私の友人の亜美ちゃんが

産休中だから代理で来ている。

男性の方は

ここの営業部全体を統括する

超エリートであり

女性社員の憧れの的であり

社内でも上位は確実とされる

イケメンで有名な氷室部長。


少し離れた場所にいるのと

給湯室は暖簾がかかっているから

中までは見えない。

他の部署と違い

この給湯室にドアがない。

だから、こういう告白行為は

廊下に丸聞こえになる。





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