【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜

彼氏がいる私と花菜子は

氷室部長ファンから

一歩引いていたけど

亜美ちゃんは芸能人に憧れるような

ミーハー気分満開で

氷室部長に頻繁に話しかけたり

自分をアピールしていた。

昼休みに外でパンを頬張りながら

キャーキャーはしゃぐ亜美ちゃんに

見兼ねた花菜子が呆れながら

「…あんまり纏わりつくと
嫌われるんじゃないの?」

と、氷室部長を哀れに思っていると

「…だってさぁ…。
羽美花ちゃんと花菜子ちゃんは
氷室部長と知り合いだから
会えば向こうから
すぐに話しかけて貰えるけど
私達は話しかけなきゃ
覚えて貰えない。」

と言って、亜美ちゃんは

カフェオレをストローで飲みながら

寂しそうに笑った。

「…別に私達は知り合いじゃないし。」

と、私達はいつも否定しているけど

亜美ちゃんは唇を尖らせる。

「…本当に羽美花ちゃんは
氷室部長に好意はないの?
羽美花ちゃんが挨拶すると
部長はいつも瞳が嬉しそうだよ。」

そう言って、ジッと私を見るけど

私は首を横に振る。

「…亜美ちゃんに何度聞かれようと
私は笠置主任と付き合ってるし
氷室部長は助けて頂いた恩人だから
感謝してるけど
それ以上の感情で接してはいないよ。
氷室部長だって分け隔てなく
誰にでも優しいじゃない。
だから、私だけなんてありえない。
彼氏いる私に感情もつなんて
絶対ないし、氷室部長にも
ファンの人達にも悪いよ。」

私がそう言うと

亜美ちゃんが面白くない顔をする。

でも…私は満君だけ。

氷室部長だって

満君と付き合っている私に

感情をもつワケない。







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