【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
***

ぼんやりしていた私を見て

「…ごめん、羽美花。
湿っぽくなっちゃたね。」

と、花菜子が謝ってきた。

首を横に振る私に

「笠置主任は大丈夫だと思うし
豊島さんだって
高校時代から何年も経ってるから
いまさら主任に未練とかないと思うし
今は羽美花が彼女なんだから
堂々としていたらいいと思う。
ましてや、主任は
羽美花のお兄さんの親友だし
絶対に羽美花を傷つけたりなんて
しないはずだよ…きっと。
…だから、元気だしてね。
何かまたあれば聞くから。」

と、花菜子はもう一度

私の肩を“ポン”とした。


「…あっ、うん。ありがとう。」

と、無理やりだけど私も微笑んだ。

私の視界に

花菜子の左手薬指の輝きが入った。

菊田さんからの永遠の愛と

永遠の絆が詰まった大切な証。

「…指輪…眩しいくらい綺麗だね。」

思わずポツリと呟いた私に

花菜子は一瞬

“えっ!?”と言う顔をしたけど

「ふふっ…。」と

すぐに、はにかんだ笑顔を見せて

「…私は順番が逆になったけど
羽美花だって、笠置主任と
もうすぐだよ…きっと。
だから、信じて待っていれば
今年のクリスマス辺りに
プロポーズ…なんて事も
あるかもよ?
私は羽美花の恋を応援してるし
羽美花は主任と幸せになって欲しいし
祝福したいから、良い話待ってるね。
…さあ、戻ろっか。」

そう言って

ゆっくり立ち上がった花菜子に続いて

「…ありがとう、花菜子。」

と、お礼を言って私も立ち上がった。











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