SOMEHOW
―第2話―

Rio

ねぇ、どれだけ私が嬉しかったか。

あなたはきっと、わからないだろうけど。

心にずっと刻んでおくよ。



いつ別れがくるか、

わからない関係だから。




- Side Rio -




裕也君が1人暮らしをしていたなんて、初めて知った。

少し前に、両親は仕事関係で遠くへ引っ越したらしい。

裕也君だけは高校を卒業するまでここに残ると言い張って残ったんだって。

そんな裕也君のお家に、週末にお邪魔することになったの。

夢みたいな進歩だよ。今までじゃ、考えられない。こんな関係。






―・・・ピンポーン・・・―



緊張しすぎで震える指先。

なかなか押せなかった呼び鈴を、今やっと押した。



今日はメイクだってばっちりだし、服装だってばっちりデート用。

いや、デートってほどのことじゃないんだけどね。

でもやっぱり、初めて好きな人のお家にいくわけだから、気合入っちゃうよね。



『・・・はい。』

「あ、えと、橘です。」

『ちょっと待ってて、今開けるから。』




そう言われた直後に聞こえた鍵を開ける音。

すると中からラフな格好の裕也君。




こんな姿を見ると、“彼女”になったって、錯覚に陥りそう。


だけど現実は違うから、なんだか胸が締め付けられる感じだよ。

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