A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 何かあったとしたら、能力が発揮出来ない今の彩には、為すすべもない。
 だけどこのままでは、美樹もどうなるか分からない。


「どうすりゃいいんだ・・・美樹!」


 部屋の行灯のロウソクの火が、激しく揺れる。
 吹き消されそうになるが、それはかろうじて辺りにに光を、途切れ途切れに放っている。


「やはりな・・・この場でも、押さえ切れなんだか」


 いきなり後ろで声がした。
 額に手をかざしながら、彩は振り向く。


「婆さん!?」
「トキじゃ。さっきお前が言い当てただろうが」


 少し丸まった背中に両手を組みながら、おトキさんはちらりと彩を見据えた。
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