絶対日記『REWRITE』
誠は自転車から飛び降りると、自転車を蹴り倒して学校に向かってがむしゃらに走った。

……麗菜、頼む!頼むから、まだ学校におってくれ!

やっとの思いで学校に着くと、教室に向かった。息を切らしながら教室のドアを開けると、そこには麗菜の姿は無かった。

「おい……麗菜!麗菜は!」

大声で教室中に叫ぶ。

「あ、誠君…麗菜君、保健室だよ」

千里が答えた。

「あ……、千里ちゃん!日記帳で一回書いたら、もう消されへんの?」

「声が大きいよ……日記帳に書いた文字は消えないよ。ルールに書いてあったでしょ?」

「何か方法はないん?」

「うん、日記に書いたことは絶対だからね。どうしたの?あ……、今朝、麗菜君とケンカしてたけど…どうしたの?何かあったの?」

「……うわぁぁぁ!」

誠は叫びながら保健室に向かって走った。

……日記の力が何やねん!絶対麗菜を死守してみせたる!

保健室に着くと、白の扉を勢いよく開けた。そこには、頭に包帯を巻いて顔中ガーゼだらけの麗菜がいた。

「麗菜!」

「何や?また殴りに来たんか?」

誠は保健室に入り、麗菜の近くに駆け寄った。

「ごめん麗菜…全部、田島から聞いた…お前のその態度は、あいつをかばうためやろ?」
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