イジワル同期の恋の手ほどき

「次は、朝食だな」

新しい課題が発表されて、思わず叫んでいた。

「朝食なんて、パンとなにかでいいよ」

「甘いな」

宇佐原が大きく、首を振った。

「初めての朝食は、重要だぞ」

そういうことに疎いため、半信半疑で尋ねる。

「そう、なの?」

宇佐原はここぞとばかりに、得意げに語り始めた。

「そりゃ、そうさ。手際よく、『おおっ』って思わす物作れたら、ポイント高いし」

「ちょっと、待ってよ。朝食って、まさか出勤前にここに寄れって言うの?」

その言葉を遮るように、宇佐原が言った。
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