滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

それから残された一時間の間で急いで資料作りをした。



チームのみんなにも謝って、

万全の体制で社長とのプレゼンに挑んだーー。













「カンパーイっ!!」


その日の仕事終わり、初めてチームと関係者、数人で呑みに行った。


というのもプレゼンは大成功で、社長からの商品化OKのサインが貰えたからだ。



「とりあえず一安心ってところだねー」

「後は発売してちゃんと売れてくれれば問題なしっ!」

「ってまだサンプルも出来上がって無いのにね」



あはははと笑い声が座敷に響き渡る。


長いテーブルに向かい合いながらさながら宴会状態だ。



「夏目さんグラス空いてるじゃん、なんか飲む?」

「じゃ、烏龍茶」

「お酒は?せっかく何だから飲んじゃいなよっ」

「私普段飲まないから、あまり強くないんだ」



苦笑いする私に、
隣に座っている同僚がそうなのー?とつまんなそうな顔。

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