滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
元カレは三つ上の二十八歳。
同じ部署の先輩と後輩の間柄だった。
新卒で入った私をよく目にかけてくれて、
恋人になるまではそんなに時間も気持ちもかからなかった。
私より性格も心も大人な彼は仕事も出来て、
同僚からも人気があって、
周りには内緒にしてたけど自慢の彼氏だった。
数年付き合って、そろそろ結婚とか意識し始めた時、
彼の行動が怪しくなってきた。
連絡つかなかったり、予定をキャンセルするのは当たり前。
話をしていても何処か上の空。
何よりも一番変わったのは、
私を抱かなくなったことだった。
私から誘っても、
「そういう気分じゃない」とか
「疲れてるからまた今度な」と逃げてばかり。