滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

それから台座展望台とミュージアムをぐるりと見て、地上に戻ってカフェでお昼。


しかし店内は混雑していて、
私は注文待ちの長い行列に十五分並んだ。

そして自分の順番になり、私はカタコトの英語とジェスチャーで注文した。



しかし相手にうまく伝わっていないのか、
英字のメニュー表を指しながら何回も聞き返してくる。



「えっと…、ワンプリーズ!じゃなくて…んと…」



周りは皆外人だらけ。

助けてくれる人もいなければ、
助けを求めたい人もいない。


「¥$€!%%♪?」


私のパニック状態に男性店員もイライラし始めたのか、
口調が荒々しくなってきた。


何を言ってるかさっぱりわからない私はさらに追い込まれてしまう。

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