千紫万紅~君と見たい景色~
「ゴホ、ゴホゴホ、ゴホゴホゴホ、ゴホゴホゴホ………」



和咲は舞い上がった埃を思いっきり吸い込んでしまい咳き込む。



「…っ痛ーい…。萩野さん大丈夫?」



「ゴホゴホゴホ、ゴホゴホ、…ゴッホ……………」



「!」



「萩野さん、ねぇ萩野さん返事して?!萩野さん!」


床に置いた本にダイブしたなずなが、咳き込んでしまった和咲に気付くも遅く、和咲は気を失ってしまう。


和咲を保健室に運んだなずなは、雪ちゃんに診てもらった。



「少し落ち着いたわね。…蓮見先生、そんなに落ち込まないで?今のところ命に別状はないのだから。」



「でも、私のせいなんです。手伝うって言ってくれた萩野さんに甘えなければこんなことには…。」



「まぁ、起きてしまった事を後悔しても仕方がないし…。教頭先生に呼ばれてるのでしょう?ここは大丈夫だから。」



「…はい、ありがとうございます。お願いします。」
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