千紫万紅~君と見たい景色~
恬淡寡欲の深意
「あ~後もうちょっとで夏休みだ~☆」


「今年もお祭り行くでしょ?」

「もっちのろん☆」



毎年この時期に夏祭りを開催している栗花落(ツユリ)神社は小さいながらも歴史のある古い神社。


学校の近くにあるので来るのは天桜高校の学生が最も多い。


その為、見回り要員がほぼ天桜高校の教師達で構成される。



今年の開催日は終業式前日と終業式の日、前祭・本祭の2日間ある。



「今年は花火の種類も増えるってポスターに書いてあったし、期待大ね。」



花火は2日目・本祭の一番の見所で、本祭は毎年大体終業式の日に当たるので、学生が特に集中し人数も多く賑わう。



大きい神社や河川敷で開催される凝った花火大会ブームに、運営側も負けてられないと思ったようだ。



「じゃあ今日早速浴衣買いに行く?」


「オッケー☆」



お祭りまでまだ2週間もあるというのに、なんとも気の早いことである。
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