千紫万紅~君と見たい景色~
「なぁ、俺達も行くよな?」



楓達の会話が聞こえたのか陽も行く気満々だ。



「僕は遠慮するよ。陽と一緒に行くと食べ物ばかりで懲りたからね。」


「それが祭りの醍醐味ってもんだろ!好物が纏めて食べられるんだぞ!こんな夢みたいなの、祭り以外ねーだろ!」



規模が小さいので毎年ほぼ同じ露店の種類なのだが、陽は飽きないみたいだ。



「僕はお祭りに来た女の子達と楽しむ予定だから。」



「んだよーつれねーな~。悠晴は行くよな?」



「あー…、俺他の奴と行く予定だから無理。」


「はぁ?!まじかよ~。もうこうなったら全部の露店制覇してやる!!」



頼みの綱の悠晴にも断られた陽は一瞬落ち込むも、能天気の本領発揮とばかりにすぐに露店の制覇に意気込む。
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